活動内容

カカオ

カカオ豆の主な生産国であるガーナやコートジボワールでは、農地拡大を目的とする森林伐採による環境破壊や、貧困に起因する人権問題などが社会課題として指摘されています。

ガーナでは、カカオ農園を男性が経営することが多く、女性は単純作業や家事に従事する文化が根強く残っており、女性の教育機会・社会進出を阻んでいると指摘されています。そこで、社会との接点・教育の機会を希望する女性に、キャッサバの栽培・加工・販売方法を学ぶ機会を提供しています。
キャッサバは、西アフリカ諸国において主食として位置づけられています。
本プロジェクトを通じて、女性の地位向上と収入安定化を目指します。

また、コートジボワールでは、過度な農地開拓による原生林の減少に伴う、生態系の破壊・土壌栄養の劣化などの課題を抱えています。私たちは、直射日光に弱いカカオの若木の生育に必要なシェードツリー(日陰樹)に着目、より質の高いカカオを生育する為の環境整備及び、生態系の保護・再建を行うべく、カカオの生産組合にシェードツリーの苗を寄贈しています。

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コーヒー

コーヒー豆の生産は、多くを赤道付近の熱帯地域に位置する開発途上国の生産者が担っています。産地では、地球温暖化に伴う生産効率の悪化、貧困に起因する労働者の人権などの環境・社会課題が指摘されています。

世界第3位のシェアを誇る大生産国コロンビアは、年間降雨量1,500~2,500mm、標高900~2,000mの山地であることなどから、コーヒー豆生産に適した環境の国ですが、生産を担う小規模農園の多くは、貧困から抜け出すことが難しい状況です。地球温暖化などに起因する異常気象や、山地という機械化できない生産環境が、生産量の安定確保を妨げているのが主な要因です。そこで、元々自家消費していたとうもろこし、豆、根菜類などを、コーヒー豆以外の収入源として確立できるよう、その栽培方法・販売方法を学ぶ機会を提供しています。

また、世界中に約25百万人いるコーヒー生産従事者に占める女性の割合は男性より多いと言われています。コーヒー豆の一大産地であるブラジルでも、収穫や精選などの様々な工程で女性が関与しています。しかし、従来男性が所有権を持つ農園で収穫されることから、女性は営農指導を受けたり、最終的な価格交渉や販売を担う機会が少なく、結果として女性は労働時間が長いにもかかわらず男性よりも収入が低いという現状も報告されています。

そこでブラジルのCafé Delasというプロジェクトと一緒に、農園主となる女性を応援し、女性農家が自身で栽培し収穫したコーヒー豆に対して適切な対価を受け取る仕組みを構築する取り組みを実施しています。

アーモンド

カルフォルニア州を中心に主に米国で生産されているアーモンドはミツバチが蜜を集めながら花から花に移ることで受粉が促され実がなります。

アーモンドの生産にとって非常に大切な役割を果たすミツバチが、実は昨今減少傾向にあり、農薬の使用や綺麗な水源や草木などの環境が不十分であることなどが主な原因として挙げられています。

そこでミツバチの生育環境を整える取り組みとしてアーモンド農家と共に養蜂プロジェクトを実施しています。灌漑設備を導入して綺麗な水を整備するだけでなく、ミツバチが好む花を植えて育て、ミツバチが育ちやすい環境を整える活動を行っています。

またミツバチの生育環境の整備に加え、次世代のアーモンド栽培を担う若者を中心に養蜂に関するレクチャーも実施しています。
効果的な養蜂の方法やアーモンド農家とミツバチの共生についての知識を得ることで、互いに持続的な生産・生活ができるよう取り組んでいます。

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カシューナッツ

カシューナッツは東南アジアやアフリカなどの熱帯地域で育てられており、世界一の生産国であるアフリカのコートジボワールでは主要産業の一つとなっています。

アーモンド同様に、カシューナッツの持続的な生産にはミツバチによる受粉が欠かせません。ミツバチの生育環境の整備に加え、コートジボワールでは安全に養蜂に従事する為の道具や知識が確立されていないことも課題として挙げられています。

そこで、ミツバチの巣箱や防護服の提供並びに、安全に養蜂を行うための方法を伝達するなど、ミツバチとの共生方法を学ぶ機会の提供を行っています。

本プロジェクトを通じてカシューナッツの安定した生産が期待できることはもちろん、家外での就労の機会が限られる女性を中心としたチームを組成し養蜂を行うことで、女性農家への就労機会の提供やはちみつ販売による副収入を得る機会の提供にもつながっています。

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