INTERVIEW 01

お客様だけでなく、 生産者も幸せになってほしい―― その想いを、いつも心に

胡麻・スパイス・油脂事業部

I.T

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MCアグリアライアンスに入社したきっかけを教えてください

 食品業界に出合ったのは、新卒で入社した国際物流の会社で食品輸入部署に配属されたことがきっかけでした。人が口にするものを輸入することはやりがいがあり、自分が関わった商品が店頭に並ぶと大きな喜びを感じました。
 当時、お客様だった商社の方から「生産者から消費者に至るまでの取引に広く関与する商社ならば、もっとやりがいがある」と教えていただいたことが転機となり、MCアグリアライアンスへの入社を希望しました。

現在の業務内容を教えてください

 現在は、胡麻・スパイス事業部に所属しています。ごま油や練りごまなどの原料となるゴマを、アフリカや中南米のサプライヤーから買い付け、日本のお客様が求める品質基準で検査を行った上で納品します。買い付けと販売で担当を分担する商品もある中、ゴマは一連の流れを一人で担当するため、輸入貿易実務を一気通貫で学ぶことができます。
 海外渡航の条件が緩和されたことから、2022年5月に買い付け条件の交渉やゴマの生育状況、選別作業などを確認するため、アフリカへ行きました。オンラインでのコミュニケーションもできますが、サプライヤーや農家と信頼関係を築くためにも、できるだけ現地に足を運ぶことの大切さを実感しました。

最も苦労していることがあれば
教えてください

 ゴマは栄養価に優れ健康食材としての注目度が高く、国内需要は拡大を続けています。しかし、99%以上を輸入に依存しているため、安定供給が求められます。アフリカを中心とする新興国に需要の大半を頼るため、政情不安や悪天候による収量不足など、様々な課題があり気を抜けません。
 アフリカでは、「1トンのゴマに100人の農家がいる」といわれるぐらい、ゴマの生産は数多くの小規模農家の手によって行われています。ゴマは生命力が強く、生産しやすい作物ではありますが、品質問題を起こしやすいのが課題。農家への適切な指導を徹底し、ゴマ自体のポテンシャルを高めて、面積当たりの生産高を上げることが、私たちの使命でもあります。

仕事のやりがいを教えてください

 当社はサステナビリティをキーワードに事業を展開し、ごま油メーカーと共同で、アフリカのゴマ農家の生活向上を支援するプロジェクトを行っています。
 タンザニアにおいては、営農指導に加え、農家支援の一貫として村の中心に井戸を建設。農家によっては水くみ作業に往復で半日もかけていた環境を改善させ、豊かな暮らしへと一歩近づきました。村長からは「この地で、これからも頑張ってゴマを作ります。ぜひこのプロジェクトを、他の村にも展開してください」と、前向きな言葉をいただきました。今後も本プロジェクトを継続・拡大して実施する予定です。
 プロジェクト成功の背景には、三菱商事タンザニアオフィスのスタッフによる、現場への定期的な訪問と業務サポートがあります。同じ志を持つ仲間と協力関係を結ぶことで、私たちだけではかなえられない取り組みに挑戦できる、そんな土壌が当社にはたくさんあります。

今後の目標を教えてください

 これからさらに経験を積んで、ゴマ業界に精通する人材となることが目標です。そのためには、知識を深めることはもちろんですが、産地の社会情勢や天候、栽培状況など、現地の情報をいち早く入手・精査し、販売先に的確なアドバイスと、適切なタイミングでの提案ができるスキルを磨いていきたいと思います。